マイフェイバリットラジオと題して、筆者が聴いてきた好きな
ラジオ番組を挙げてきたが、少しひと休み。
1998年からラジオを聴いている、と言ってもその方法が
時代を経るごとに全く変わってきていて、
またその保存方法も全く変わってきている。
その歴史もまた面白いので紹介していく。
①CDラジカセ時代 (1998年~)
まず、1998年の中学2年の秋、ラジオ番組という存在を
ツレから教えてもらい、実家にあるラジオを探すと、
親が使っていたCDラジカセ(メーカー不明)があって、
それをもらって聴き始める。
同じ頃、自分の部屋ももらい、(今はなきVHSの)テレビデオも
買ってもらい、テレビ番組のアニメ・バラエティをどんどん
ビデオテープに録画していっていた。
ラジオはテープカセットに録音していたが、テレビのビデオ
と違い、予約ができなく、もれなくリアルタイムで録音作業していた。
今では考えれないくらいめちゃくちゃしんどい作業で、
アーカイブもほとんど残せないこの状況を、
次の機器導入まで2年近く続ける事となる。
②MDコンポ時代 (2000年~)
そして高校入学祝いか何かで2000年の夏、
MDコンポを買ってもらい、
怒涛のラジオMD録音の幕開けとなる。
ネットで調べたらちゃんと型番出てきた。
パイオニア X-MDX717

それまでのカセットテープではできなかった予約録音ができ、
モノラル録音により、74分MDだと倍の150分程録音できる。
そして編集機能。コレが凄かった。コンテンツの分割・削除・
結合ができ、番組中に流れる曲やCMを編集でカットできるので、
将来改めて聴く事になった時に便利だった。
ただこの時点ではまだまだ大変な作業で時間もかかったので、
“完パケ”とはいかず、CMカットだけで、結合までは
追いつかなかった。
またタイトル入力もカタカナのみであった。
MDの便利さに感動しながらひとつ、ミスも犯していた。
このコンポを買ったのと同じ時期に、MD録音としての
新規格「MDLP」がメーカーより発表、すぐ対応機器が発売。
モノラルで2倍の録音をできていたモノが、
ステレオ音質で2倍、4倍の録音ができるという。
この事を知らず、従来の規格の機器を
購入してしまっていた。
ある程度経ってからこの事実に気づきこの2年後、
アルバイトをして貯めたお金で
新たなMDコンポの導入。
MDLP対応のWのMDデッキ搭載機種。
メーカーはDENON(機種失念)。
今まで約2年分のモノラル2倍のMDを、LP4で焼き直し。
そう、通学で聴く用のポータブルMDプレーヤーも
従来品(機種失念)からソニーのMDウォークマンMZ-E909へ
ブラッシュアップ。
高校卒業後も、アルバイトなどに行くなど外出するには
必携だった。
この組み合わせで4年くらい愛用。
そして2006年、これまたとんでもない革命的な名機を導入。
それがHDDコンポ。
③HDDコンポ時代 (2006年~)
ONKYO BR-NX8

この頃、テレビ番組の録画がビデオから完全にDVD時代になって、
「HDDへ録りためてDVDへダビングする」事が当たり前に
なっており、
音楽(≒ラジオ)もHDDに録音し、MDで持ち出す、
ができるようになったのだ。
まさにHDD・DVDレコーダーと同じく、
複数のラジオ番組を予約録音でき、
番組タイトルも漢字で表記でき、
それを大きい液晶画面に、複数表示も可能。
これにより、編集作業の効率化も実現。
すでに数百枚録りためていたMDアーカイブがさらに激増、
さらにさらにこの頃、また別記事で後述すると思うが、
ラジオ黄金期に突入しており、アーカイブ欲求に歯止めがかからず
最終ラジオMDの数は700枚を超えた。
なんだったら、裏番組被って録音できないパターンが出てきて、
BR-NX8をもう1台導入し、2台体制で行っていた。
ラジオ好きにとってHDDコンポは最高の名機であった。
これも4年ほど愛用。
2010年頃、このHDDコンポを酷使し、劣化が起きてきたところで、
次なる機種の導入を考え始める。
すでにMDがオワコン化、世間的にはiPodなど
デジタルオーディオプレーヤーが普及済みで、
なんだったらiPhoneなどスマホが台頭し始めてきてる時代、
HDDコンポの成功に味をしめ、次なる機種もHDDコンポで
行こうとする。
ONKYO BR-NX10A

それまで使っていた機種は、MP3フォーマットの再生はできても
ラジオ録音はできないでいた。
前述した通りiPodなど、音楽はデータの取り込み・ダウンロード
などになっており、CDはオワコン化、音楽はデータで扱われるのが
普通になり、ラジオ録音もMP3化をどうにかするというので、
調べて導入したはずだが、これが大失敗。
BR-NX10AがBR-NX8の後継機種で使い勝手も近いかな、
と思って、MP3録音したデータを編集しようと思ったら、
めちゃくちゃ時間がかかる…。
分割・削除・結合、それぞれの作業数分かかり、
多数の番組を編集するにおいて、全く以て現実的じゃない、
となってしまった。
そして同時に、過去に犯したミスをまた犯していた。
この機種を導入したのが調べたら2011年初頭だったが、
全く同時期にソニーが超画期的な商品を発売していた。
ICZ-R50というラジオ録音に特化した「ラジオレコーダー」。
MP3録音はもちろん、細かい編集をPCで独自のソフトを使って
行えるという…。
昔のMDLP対応商品を購入できなかった二の舞である。
ソニーのこの画期的商品をチェックできていなかったのだ。
そしてさらに!HDDコンポに納得できず、新たな機器導入を
企て筆者が購入したのが、まさかの
SANYO ICR-RS110MF-S

これはラジオレコーダーとは似て非なるモノで、
ラジオが付いている「ICレコーダー」。
価格.comなどの各種サイトで、「神器」と名高かった
この商品を導入。
が、この機種も筆者には合わず、むしろHDDコンポの方を
メインで使う羽目になる始末。
ソニーのラジオレコーダーを導入できず、
この頃ラジオ聴取生活は完全な低迷期を迎えていた。
ただ不幸中の幸いというのか、この時期のラジオ番組、
特に関西圏の番組が、ツマる番組がかなり少なくなって、
サブプライムローンショックもあってか、
経費削減で東京の番組を番販で流している時期でもあって、
お互いのしんどい時期と重なり、
ダメージはちょっと抑えれてたかな、と。
だから2010年の後半くらいから2013年初頭くらいまで、
筆者のラジオアーカイブは、フォーマットこそMP3だが、
番組タイトルなどの内容がその前後と比べても違うので、
この時期はやはり黒歴史と言っても過言ではない。
そして、この状況を打破するのは、
結局ソニーのラジオレコーダーだった。
④ラジオレコーダー時代 (2013年~)
ソニー ICZ-R51

やっとのやっとでこの時期のラジオレコーダーの新商品を導入し、
全てが好転し始める。
多数の番組予約、各種編集、フォルダー管理、
PCソフトとの連携、
ICレコーダーでの外への手軽な持ち出し…。
全てにおいてスマート。
少し前に自前のノートPCも導入済みで、
ソニーの音声データ編集ソフト「サウンドオーガナイザー」
を使用して、画面を見ながら手軽に編集。
ほんの数年前のMD時代がウソのよう。
ことあるごとに、ネットで逐一ラジオレコーダーの事を検索し、
SNSでもラジオレコーダーを定期的に検索。
「あぁ、このまま一生よろしくね、ラジオレコーダーちゃん。」
蜜月なラジオレコーダーとのお付き合いは未来永劫だと、
そこに疑う余地などなかった。
だが!
さらなる波が押し寄せ、ラジオアーカイブ構築の世界は
次なる領域へと進む。
⑤ダウンロード時代 (2019年~)
ラジオレコーダー+PCで編集・管理で5~6年来てて、
その間、世間では「radiko」がスマホの普及と共に
拡がりを見せ、若い層にもラジオ番組が届き、
長期低落傾向を見せていたラジオ業界もにわかに
活気を取り戻し始めていた。
radikoも月額課金(サブスク)によって、
エリアフリー、タイムフリーなどサービスを拡大。
もちろん番組はラジオ本体での聴取と違い、
音質が良いのはもちろん、ノイズもなし。
ラジオ本体での聴取は、対応機器でワイドFMが実装
されてはいたが、やはりノイズとの戦いからは
逃れられない。
色々調べた筆者が辿りついたのが、
ラジオ番組をダウンロードしてMP3形式で保存できる
ソフトの導入。
ソフトでダウンロード後、データは先のラジオレコーダーへ移動させ、
それをサウンドオーガナイザーで編集。
扱うデータが、低音質・ノイズあり録音から、
高音質・ノイズなしダウンロードに進化した。
この時期のパーソナリティの質も上がり、
ラジオアーカイブもとめどなく増えていく。
そして今年、データをラジオレコーダーへ移動して編集してきたが、
この度SDメモリカードへ変更となった。
ラジオレコーダーはPCとマイクロUSBで繋いでいたが、
このご時世、マイクロUSBは速度が遅すぎて、
いくつかの番組の1ヵ月分を分割~結合の編集作業しようものなら、
平気で6時間以上掛かっていた。
それが、SDカードだとPC直で読み込んでるからなのか、
今までの5倍くらい早く、1時間ちょっとで同じ作業が終わる。
外への持ち出しのICレコーダーも、Bluetooth即接続タイプへ新調。
ラジオ番組の保存で、ついにラジオを使わなくなったのだ。
いかがだっただろうか。
冒頭述べた通り、ラジオの聴き方、保存の仕方が、
人一人が大人になる期間で、こんなにも変わっていく。
後にも先にもこの時代だけではないだろうか。
老若男女問わず魅力的なパーソナリティが多数いて、
手軽にラジオ番組をスマートにアーカイブできる、
現在のわが国は少なくともラジオ聴取の点においては、
この世のユートピアにいるのではないだろうか、
というのはいささかオーバー過ぎるか(笑)。