お笑い界に30年ぶりのイノベーションが起きている。
鬼の居ぬ間に、である。それも確信犯的であろう。
幼少期より35年程お笑いを追っている筆者であるが、
まさか自分より年下の芸人に、いい年こいて
こんなにも心踊らされるとは、ほんの数年前までは
夢にも思わなかった。
そう、霜降り明星の御両人である。
2013年コンビ結成、であるが、粗品は2011年、
せいやは2013年に芸人スタートだが、
2010年の大阪NSC33期組と同期といういびつな芸歴。
NSCが芸歴になるかならないか論争はこの世代では決着ついた感があり、
粗品はわからないでもないが、せいやに関しては明らかに後乗り(笑)。
しかしそこすらも戦略的で、最初から明らかに仕掛けている。
上の世代が30~40代で売れるのが普通になってる時代でも、
天下取りを窺うには若さが不可欠である事をわかっていたが
故なのだろう。
ダウンタウン以降の芸人については、永い期間
ある種の諦め・・・は言い過ぎか、
でも”魂”という点においてはお笑い第4世代以降の
芸人については期待できないでいた。
ダウンタウンが偉大過ぎて挑むどころか、
国民レベル(消費者側)でも明確に線引きされてちゃ、
そりゃ挑む方じゃなく、
生き残る方にリソースを割くのもわからないでもない。
しかもM-1グランプリができてからは、いかに島田紳助、松本人志に
認められるかレースで、”後輩ムーブ”に拍車が掛かってしまうし。
霜降りもM-1世代であり、もちろん新人の頃はまわりは
先輩ばかりなので、後輩ムーブというかそういう立ち回りに
なるのは当然だが、いつの頃からかお笑いに対して
絶大な信頼を置くようになっていた。
筆者が最初に霜降り明星を認識したのは、
MBSにて毎年末に放送される関西の名物的特番「オールザッツ漫才」の2012年で
ピン芸人で優勝した時の粗品。
今のオールザッツは正直あまり観もしてないが、この頃はまだちゃんと追ってて、
ネタは若くしてすでにしっかりしてて、
粗品の優勝時の「漫才がしたい」、のコメントも覚えている。
直後に粗品はせいやとコンビ結成するが、まだ特段注目もしてなかったし、
M-1優勝した時も平成最後の王者で世代交代感もあったが、別に・・・だった。
そんな霜降りに最初に”魂”を感じたのは、その後始まった
「霜降り明星のオールナイトニッポン0」の何回目かの放送。
こんなブログを書いてるぐらいなので、ラジオ好きとしてもメジャーどころの
芸人が満を持して始めたラジオ(主にオールナイトニッポン)は
何回かは聴くようにするスタンスだが、
賞レース優勝系芸人ラジオでも数回で断念する中、
霜降りのANN0は最初からちょっと違うと思い毎回確実に聴いていた。
時事ネタを廃し、エピソードトーク、ネタコーナーにこだわりを持ってやってるのは、
その辺の芸人とは格が違うのは、鼻が利く人間だと数回で理解できたはずだ。
で、先述の”魂”を感じたのは、新コーナーで始まった一般の学生との電話繋ぎでの出来事。
霜降り二人とそれぞれ漫才に学生がツッコミを入れるノリになり、
言葉に詰まった学生が思わず放送禁止用語でツっこんでしまった時に、
半分マジくらいのトーンで粗品が「俺ら人生賭けてやってるんやんか」っていうセリフ。
霜降りANN0にすでに可能性を感じ、でこの粗品のセリフで一気に心を掴まれた。
その後同番組では本当に”魂”揺さぶられる出来事が多数起きるが、それはまた次の機会にー
お笑い界の30年ぶりのイノベーションは、ANNで足腰の強さをすでに知らしめ、
数年前に一度せいや発信で起こった「お笑い第7世代」ブームも加味し、
粗品中心で起こっている。
どのネットニュース・SNSを見ても粗品の話題を逐一見かける。
コンビで出演したフジテレビ系新しいカギのメンバーで放送したFNS27時間テレビ、
YouTube粗品 Official Channelの「1人賛否」や、
あと「そしあの」(笑)。
今年のお笑い界は間違いなく霜降り≒粗品の話題で持ち切りだったのは、
誰にも否定できないところだろう。
そしてそれは松本人志不在の中での出来事であるのは、
これはもうイノベーション=革命を粗品が仕掛けている他ない。
これからも霜降り明星二人については追って語っていきたいと思う。
ちなみに筆者は、イタい程の松本信者であるーーー